食品に見られるカビとカビ毒
「子のう菌類」のユーロチウム(Eurotium)、「不完全菌類」のアスペルギルス(Aspergillusいわゆるコウジカビ)・ペニシリウム(Penicilliumいわゆるアオカビ)・フザリウム(Fusariumいわゆるアカカビ)・クラドスポリウム(Cladosporiumいわゆるクロカビ)、「接合菌類」のムコール(Mucorいわゆるケカビ)など、食品にはさまざまなカビが発生します。
また、カビは病原真菌として人に真菌症という感染症を発症させるほか、カビの中にはカビ毒(マイコトキシン)と呼ばれる毒素を作るものがいて、それにより食中毒や癌を発症する事もあります。
カビ毒の中には次のようなものがあります。
アフラトキシン
アスペルギルス(Aspergillus)の仲間の一部が作るカビ毒で、発ガン物質です。国外から輸入されたピーナッツやピスタチオナッツなどの一部が汚染されることがあります。
トリコテセン系マイコトキシン(デオキシニバレノール、ニバレノールなど)
フザリウム(Fusarium)の仲間の一部が作るカビ毒で、悪心・嘔吐・下痢・腹痛・造血機能障害などを引き起こします。麦やトウモロコシが汚染されることがあります。
オクラトキシンA
アスペルギルス(Aspergillus)やペニシリウム(Penicillium)の仲間の一部が作るカビ毒で、腎臓や肝臓に毒性があります。穀類や豆類が汚染されていることがあります。
カビ毒は加熱調理で分解されません。そして、一般にカビは細菌と異なり低温、高浸透圧、酸性などの条件下でも生育し、胞子を空気中に飛散して増殖します。
カビの生えた部分を取り除いても食品全体が汚染されている可能性は高いので、カビの生えてしまった食品は食べないようにしましょう。





